センターのご紹介
この度、公益財団法人交通事故紛争処理センター理事長に就任いたしました。当センターは、その前身にあたる交通事故裁定委員会が1974年2月に発足して以来、先導的なADR(裁判外紛争解決手続)機関として、交通事故被害者の迅速な救済を図るために、中立・公正な立場から、損害賠償に関する法律相談、和解斡旋及び審査業務を無償で行ってまいりましたが、皆様のご支援・ご協力によりこれまで順調に活動を継続し、本年2月には発足50周年を迎えることかできました。
当センターが昨年度までに受付けた相談取扱件数(新受件数)は、累計で約26万4千件に上り、その内、約18万5千件について示談が成立しました。最近のデータでは、和解斡旋等により終結した事案における示談成立の割合は約88%になっています。
近年、自動車の運転支援装置の普及等に伴って交通事故の発生件数は減少傾向にあるものの、その被害の実態は依然として厳しい状況にあります。また、高齢社会の到来や家族構成の変化、労働環境の変化などの社会経済の構造変容も相俟って、交通事故損害賠償をめぐる紛争も複雑化しており、中立・公正・迅速な紛争解決を図るADR機関としての当センターの果たすべき役割は、今後ますます大きなものになるのではないかと考えております。
このような状況を踏まえ、当センターは、利用者の実際のニーズに迅速に応えるよう努めるとともに、業務運営全般について常に見直しを図りながら、利用しやすく質の高いサービスの提供に努めてまいりますので、皆様の更なるご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2024年6月
公益財団法人 交通事故紛争処理センター
理事長 早川 眞一郎